「そろそろお昼休憩にしようかしらね」
そう言ってグレートヒェンは立ち止まる。
「屋敷の人がお昼を用意してくれるって言ってたし」
そう言ってグレートヒェンはナツィの方を振り向いた。
「一旦屋敷まで戻りましょう」
グレートヒェンはそう言って、今まで来た道を引き返し始めた。
しかしすぐに足を止めてしまった。
「…?」
何か知っている気配がする、とグレートヒェンは思った。
だが辺りを見回しても、ナツィを除けば何もいない。
気のせいかしら…とグレートヒェンはまた歩みを進めようとした。
その時だった。
「―」
突然背中に衝撃が走り、グレートヒェンは雪原に突き飛ばされた。
「!」
その直後、グレートヒェンの背後で金属音が響く。
「ナツィ‼」
振り向くと、ナツィが黒鉄色の大鎌で精霊の攻撃を封じていた。