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緋い魔女 Act 45

「行くわよ」
グレートヒェンにそう言われて、ナツィははっとしたようにその後を追った。
ナツィが付いて来るのを確認すると、グレートヒェンは再度歩き出した。 


「…なぁ」
暫く歩いた所でナツィは聞いた。
「お前、俺が欲しいって言ってたけど…本当に正式な主従になるつもりなのか?」
グレートヒェンはぴたりと足を止め、振り向いた。
「もしかして嫌なの?」
「別にそういう訳じゃ…」
何だか恥ずかしそうにナツィはそっぽを向く。
その様子を見て、グレートヒェンはふふっと笑った。
「今はまだ、そこまで考えていないわ」
おいおい決めるつもりよ、とグレートヒェンは微笑んだ。
「何だよそれ」
ナツィは思わず突っ込んだ。
「別に良いじゃない」
正式に契約しなくても支障はないんだし、と言ってグレートヒェンはまた歩き出す。

  • 緋い魔女
  • お話ももうすぐおしまい
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