まだ行かないで、と伸ばした腕は 行く宛もなく目の前の空気を びゅおぉん、とかき回しただけだった ごめんね、と笑って君は去っていく あ、襟、折れてるよ なんて言える権利は既にない かき回された空気が渦巻いた このまま僕を包んでくれたらいいのに