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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 7.サイレントレイヴン ⑦

「”ロヴィン”、ね…」
塾からの帰り道、わたしは何気なく昨日聞いた言葉を思い出していた。
気付けば辺りは薄暗く、雨も降り出している。
”ロヴィン”、人名のようだけど、何の事だろう。
すごく気になるけれど、それについて話していたあの2人は答えそうにないな、とわたしは傘を差しながら思った。
ネロは、は? 別に良いじゃんって言ってきそうだし、黎はトコトン沈黙し続けるだろうし。
…そういえば、どうして黎はあんなにも喋らないのだろう。
わたしはふと立ち止まる。
ああいう人、時々いるから別におかしいことではない。
ただ…
「話す気ない、ね…」
わたしは昨日彼に言われた事を思い返した。
こっちからしたら、かなりグサッと来る発言だ。
でも、そこまで言う必要あるだろうか?

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 昨日高校を卒業しました。
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