0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 7.サイレントレイヴン ⑯

「アイツ…逃げたな」
「ご同席願おうと思ってたんだけどな〜」
異能力使って探すか…と2人が話していると、不意に師郎が、あ、と呟いた。
「…あんな所に」
師郎が目を向けた方に見ると、ショッピングモールの通路の角からこちらを覗き込む少年が見えた。
「あれ、いつの間に…」
「ま、黎は気配消すの上手いから…」
でも異能力の気配はどうやっても消せないよね〜と、耀平とネロはのん気そうに言う。
師郎は仕方ないなーと言いつつ、黎の方に向かった。
「何であんな所にいるの?」
何気なくわたしが聞いてみる。
「そりゃ、アンタがいるから気まずいんだろう」
ネロは素っ気なく答える。
「アイツは都合が悪い事があるとしれっと逃げようとしたり隠れようとしたりするし」
「でもネロもそんなもんじゃん」
ネロの発言に対し耀平がそう言うと、彼女はそんな事言うなしー、と頬を膨らませた。
そうこうしている内に、師郎がこちらへ黎を連れて来た。
「ほれほれ、事情聴取始めるぞ〜」
そう言いながら、師郎は休憩スペースの椅子に座った。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。