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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 7.サイレントレイヴン ⑱

「ネロはネコ好きだもんな」
耀平はネロの頭を撫でながら言う。
「ロヴィンがいなくなったって聞いて、おれ達も探すの手伝ったし」
異能力を使ってな、と耀平は付け足す。
「でも全然見つからなかったから、一時はどうなるかと思ったよ」
とりあえず見つかって良かった、とネロは笑った。
わたしは目の前の状況にぽかんとしてしまった。
これって事情聴取じゃなかったっけ?
「…そう言えば事情聴取は?」
「あ、そう言えば」
ネロはハッとしたように向き直った。
「…それでさ、何で黎に関わられたくないって言われたのさ?」
ネロにそう聞かれて、わたしはうーんと唸った。
正直な所、なぜ関わりたくないと言われたのかは分からない。
ネコが好きなのかと聞いたら、聞く必要ある?と言われちゃったし。
「…よく分からない」
「まぁそんなもんだろうね」
わたしの答えに対して、ネロはそう呟く。

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