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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 7.サイレントレイヴン ⑳

「…で」
本題どこ行った、とここで耀平がジト目で言った。
「そう言えばそうだった」
「確か黎に関わりたくないって言われた所までだよね」
わたし達はそう言って話の本筋に戻った。
「えーと、黎は他人と関わるのが嫌なんだよね」
わたしが改めてそう聞くと、ネロはまぁね、と答えた。
「じゃあ何でネロ達と一緒にいるの?」
黎がビクっと反応する。
ネロはうーんと唸った。
「それは…ボクらが同族だからかなぁ?」
「でも黎はそんなに付き合いのない異能力者には冷たいぞ」
じゃあ何でだろ、とネロと耀平は顔を見合わせる。
…どうやら、彼らにもよく分からないようだ。
分からないなら仕方ない、とわたしが言おうとした時、ここで師郎が口を開いた。
「…黎にとって、俺達は初めてできたマトモな友達だからじゃねぇの?」
ネロと耀平は思わず師郎に目を向ける。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 早くも20回目
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