「だってコイツ、俺達に出会うまでネコ位しか友達いなかったし…」
そう言った所で、黎は物凄く恥ずかしそうな顔をする。
「あー確かに」
「そう言えば、おれ達と出会ったばかりの頃の黎はネコに夢中だった…」
ネロと耀平はそう言ってうなずく。
「だから一緒にいても嫌がられないんじゃね?」
なぁ、と師郎は黎の方を見たが、当人はテーブルに突っ伏していた。
皆はその様子を見て沈黙する。
「…こりゃ当たりみたいだな」
耀平がそういうと、ネロはだね、と答えた。
「黎にとってはみんなの事が大切なんだろうね」
わたしは思わず呟いた。
「…」
黎はちょっとだけ顔を上げる。
急にどうした、とネロが聞いてきたので、わたしはええとね、と答えた。
「…一緒にいても苦にならないって事は、それ程居心地が良いんだろうな、大事なんだろうなって」
わたしにもそういう友達がいたらなって、とわたしは笑った。