きこえますか、わたしを生かしたひと。
遠くいつかの星々、雨音がよぶゆめ、朝焼けのいとしさとおそろしさを、ただ叫んでいたころ。宛名のないまま行き交うことばたちが、確かにわたしの影をつくっていた。
手探りも大人のふりもやめられずにいる、けれども知っていたはずのうたは、神さまではなく灯りになった。さみしさは決してこわくない、それを伝えるすべがないことばかりが、ときどき後ろを振り向かせる。
わたしの底にかけらを埋めた、なつかしいひと。いまなにを見ていますか、孤独にふるえる日はありますか。いのちが、こころが、健やかであることを、あなたに宛てて祈ります。