「…」
皆が散ってから暫く、わたしは公園の片隅でぼーっとしていた。
と言うのも、対決の見張り役とは言えやる事がないのだ。
あの2人は異能力で化けているし、ほかの3人もどっかに行ってしまったから、どこにいるか分からない。
正直、わたしには手元のスマホを見たり、ぼんやりする事ぐらいしかやる事がないのだ。
退屈だな…と手元のスマホを見ていると、ふと気配を感じた。
ちら、と周囲を見回すが、辺りにはいつもと変わらない公園の風景が広がるだけ。
特におかしい所は見当たらない。
何だろう、と思いながらわたしは歩き出した。
実際、この気配はさっきから何度も経験しているから、少し慣れつつあるのだけど。
それでもこの気配は少し気になった。
「…」
ぱっ、と急に振り返ってみる。
しかし、背後には何の変哲もない公園の風景があるだけ。
特に誰かがつけて来ているという訳でもないみたいだ。