「ま、良いさ」
わたしの様子を見ながら師郎は言った。
「今回は引き分けという事で、これでお開きだ」
もう夕方だし、と師郎は言う。
そうね、と稲荷さんもうなずく。
「今回は引き分けになってしまったけど…次回は負けないわ」
「お。そうかい?」
次は俺が勝ってやるさ、と師郎は笑った。
その様子を見て、ネロは口を開いた。
「ねー2人共、この後どうするー?」
駄菓子屋にでも行く?とベロは尋ねる。
「お、そうだな」
「それは良いかもね」
駄菓子屋で打ち上げなんて、と稲荷さんは言う。
「んじゃ行こーぜー」
耀平はそう言うと歩き出した。
ネロや黎、稲荷さんもそれに続く。
師郎も歩き出したが、不意に足を止めた。
「あ、お前さんはどうする?」
行くか?と師郎は振り返りながら言った。
暫くぼーっとしていたわたしははっと我に返る。
「あ、行く!」
ちょっと待ってと言いながら、わたしは彼らの後を追った。
〈8.イービルウルフ おわり〉