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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 9.エルフ ①

寿々谷駅から徒歩10分の所にあるショッピングモールは、いつも多くの人で賑わっている。
20年程前にできたため、建物内は改装中のエリアがあったりもするが、様々なテナントが軒を連ねている。
その影響力は大きく、寿々谷の外からも人々を集める程だ。
特に休日は家族連れや学生でごった返している。
そのため、あえて人の少ない屋上に溜まる者もそれなりにいる。
例えば今のわたし達のように。
…わたしは今、”彼ら”と共にショッピングモールの屋上にいる。
いつものようにショッピングモール内で遭遇し、流れで合流してそのまま行動を共にする。
最近ではこの流れが常態化していた。
…もっぱら、”彼ら”はわたしの観察や監視が目的なのだが。
「でさー、そいつが変な事言うワケー」
「え~まじかー」
「ははは、そりゃ酷い」
”彼ら”はわたしの事など気にせず他愛もない話を続けている。
わたしはあまり会話に参加できていないが、彼らの楽しそうな様子を見ているがだけで気分が明るくなった。

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