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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 9.エルフ ②

…と、わたしはある事に気付いた。
4人の中で、黎だけがそっぽを向いている。
彼が会話に参加しないのはいつもの事だが、それにしても気になった。
「ねぇ黎」
わたしは思わず話しかける。
黎はちら、とこちらに視線だけ向けた。
「…どうかした?」
わたしが黎に話しかけたからか、残りの3人も会話をとめてこちらに目を向ける。
当の黎は黙ったままだ。
「黎、どうかしたの?」
ネロも気になったのかそう尋ねた。
黎は静かにネロ達に視線を向ける。
「…何でも」
そっかーとネロは答えた。
耀平と師郎は黙って見ていたが、何でもなさそうと分かるとさっきの会話に戻っていった。
わたしもすぐに意識が会話の方に向いて、さっきの事は忘れてしまった。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
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