0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 9.エルフ ③

夕方、日も暮れかかり辺りがオレンジ色に染まる頃。
わたし達は寿々谷駅前にいた。
ショッピングモールで一通り過ごした後、もう5時を過ぎたので解散しようという事になったのだ。
「んじゃ」
「じゃーなー」
「そいじゃまた」
ネロ達はそれぞれバラバラの方向に散って行く。
わたしもまたね、と言って相場から歩き出した。
…と、視界に映る駅の柱の陰から、誰かがこちらを見ている事に気が付いた。
人影はすぐに柱の陰に隠れてしまったので、姿はよく見えなかったが。
「…」
わたしはそのまま、その柱の近くを通り過ぎようとする。
そしてちょうど柱の横に差し掛かった時、不意に柱の陰にたたずむ人物と目が合った。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。