「え、えーとね」
わたしはビックリして言葉に詰まってしまった。
「黎が後ろを気にしているから何かあるのかなって…」
わたしも気になっちゃって…とわたしは付け足す。
「そうなの? 黎」
ネロが尋ねると、暫くの沈黙の後黎はうなずいた。
ふーんとだけネロは言う。
「ま、おれ達にとって誰かにつけられるとかよくある事だからな」
しゃーないしゃーない、と耀平は笑った。
「え、そうなの?」
わたしが驚いて聞くと、耀平はまぁなと答える。
「ネロは異能力者としては強力だからな」
仲間であるおれ達含め、変な異能力者に狙われるのはいつもの事だ、と耀平は続けた。
「それで、後ろには何がいるんだ?」
師郎が聞くと、黎は少し考えた後答えた。
「…分からない」
でも何かの気配は感じる、と黎は言った。