帰って来て、一言も今日の話をしないのが、君が限界な合図。
「お疲れ様。こっちおいで」
「……」
素直に来るから、君は本当にかわいい。
ぼくは君にそっとブランケットを掛ける。キミが頭からつま先まで、すっかり隠れるくらい大きなブランケッと。ふかふかでふわふわで、兎みたいなブランけっと。
キミの、頭も、手も、足も、全部かくして。そうして、包み込む。やさしく、でもしっかりと、ぼくの心がキミの心にとどくくらい。
「……」
やっぱり、震えてるね。でも、もうだいじょうぶだよ。ここにはぼくとキミ以外、だれもいないし、このブラんけっとで包んでるから、誰もキみをみれやしない。
「……」
落ちついてきたかな。ふるえが止まったね。そろそろ明かりをけそうか。いつでも出てきていいよ。
「……」
むささびみたいだ。ほんとうにきみはかわいいね。
ぼくはきみに、とっておきのえがおをぷれぜんとするよ。ここあにとけたましゅまろみたいな、とっておきをね。
さあ、もうねむれるね。
おやすみなさい。