0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 9.エルフ ⑨

ぽかぽかと辺りを太陽が照らす昼下がり。
足音だけが路地裏に響いている。
わたし達5人は、謎の気配を追っていつの間にか商店街の裏路地に入り込んでいた。
「これ、本当に見つかるのかな…?」
何だか不安になって、わたしは思わず呟く。
「お、ネクロとコマイヌの異能力を疑ってるのか?」
師郎がわたしの顔を覗き込む。
え、いや…とわたしは答える。
「時間がかかってるから…」
「ははは」
しゃーないしゃーない、と師郎は笑った。
「人探しをする時は時間がかかって当然だから」
のんびり待つしかない、と師郎は続けた。
わたしは…そうなの、と答えるしかなかった。
それから暫く歩く内に、ネクロマンサーとコマイヌは立ち止まった。
わたし達も続けて立ち止まる。
見ると路地の行き止まりだった。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • おとといの分
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。