演説が終わって暫く、ブロンドの髪の天使は執務の為、仕事場に戻ろうとしていた。
「みーちゃん」
背後から呼び止められて、天使はぴたりと足を止めた。
振り向くと、明るい茶髪の天使と青い目の天使が立っている。
「演説、良かったわ」
さすがは天使長、と茶髪の天使は笑う。
「どうもありがとう」
ブロンドの天使は微笑んだ。
「いつもより盛り上がってたね」
青い目の天使は楽しそうに言った。
「少し前に天界の三分の一がいなくなっちゃったけど、あの頃に戻ったみたい」
その言葉を聞いて、明るい茶髪の天使は微妙な顔をした。
ブロンドの天使も悲しげな顔をする。
「あ、ゴメン、今のはあんまり言わない方が良かったよね…」
青い目の天使は慌てて謝る。
「特にみーちゃんは…」
青い目の天使は申し訳なさそうに俯く。
明るい茶髪の天使も気まずそうな顔をした。
「…大丈夫よガブリエル」
ブロンドの髪の天使は微笑んだ。
「”あの子“はいなくなってしまったけど…私は大丈夫」
ブロンドの天使はそう言ってガブリエルの頭を撫でた。
ガブリエルはうん、と頷いた。