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復讐代行〜第4話 真実〜

「まさかそっちから呼んでくれるなんて、よっぽど私のことが好きなのね」
「まぁ、俺たちは体と中身を入れ替えた間柄だからね」
“俺”は今大事なことをさも何事もないようにサラッと言った。それ故にその事に気づくのに時間を要した。
「入れ替えた!?」
「あれ?まだ気づいてなかった?」
驚いた顔を面白がっているようだった。
「ほんとだ、振り回されてる私の顔、最高に面白い」
俺が『入れ替わり』に混乱していることがそんなに面白いか、しかも自分の顔で言われると何もかも見透かされているようで…経験のない苛立ちを覚えていた。
「なんてね、どう?イラッと来たでしょ、私の体で味わう苦しみ、私の視点で見るいつもの景色は」
煽っていた目は急に共感を求めるような目に変わった。
「イラッと来るも何も、色々パニック過ぎて頭が追いつかねーから、だから教えろ、一体何がどうなってんだ」
半分は“俺”にのせられないための演技だが、もう半分は本音から出た言葉だ。もう何が何だかわからない。
「教えるも何もこれが現実ってだけなんだけどなぁ、要はあなたが罰告することを知って、あなたと入れ替わることを決めた。それだけ」
「それだけって!」
俺はピシャリと閉じられた真実への扉を強くノックするように“俺”に怒鳴りつけた。
「要は元に戻る方法が知りたいんでしょ?それなら生憎だけど今すぐは無理、私がしたくないっていうのもそうだけど物理的に無理」
聞きたかったことではあったが内容は聞きたかったようなものではなかった。もっとなにか条件とかを提示してくるとばかり踏んでいた。
「…わかったよ…けどせめて次のチャンスには変われよ」
苦し紛れだったが必要なことだ。
「なら私の復讐に協力してね、次のチャンスが早く来るように」
いよいよ“俺”が何を言っているのかわからなくなってきた。次のチャンスが早く…?
「どういうことだ?」
「興味を持ってくれたみたいだね」
「いや、興味も何も必要らしいからな」
「あなたに、いえ、“あなたの体”に私の復讐を代行させてあげる。」

to be continued…

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