0

復讐代行〜第6話 真歩〜

「どういうことだよ!俺しかいないって!」
「あんたは人の話を聞かないね、言ったでしょ?誰も下克上を考えないことって!そのためには野心溢れる奴らは根こそぎ淘汰しなきゃならない、橘や小橋じゃ女子辺りに新たな火種を産みかねない、その点あんたはそういう火種になりそうな取り巻きがいないから」
絶妙に貶されてはいるが納得できた。
いつか歴史か何かで聞いたフレーズ
“流血、闘争を伴わない戦争”
矛盾するようだが、“俺”の革命はまさにそんな感じだ。
「橘、小橋を黙らせてあなたがトップになり、解放を宣言する。それが最も美しい」
「お前の理想はまぁわかった、それで俺にわざわざそれを話したのはなんでだ?今のところ、俺、正しくは今の喪黒闇子がすることはないようだが」
その切り返しに“俺”は少し驚き、そして笑った。
漫画によくある余裕を振りかざすアレだ。非常に気に食わなかった。
「何がおかしい」
「いや、まさかあなたがこんなにノリ気になってくれるとは思ってなかったからさ」
言われて初めて気がついた。2人に復讐をするということに対しての反対意見がいつの間にか通り過ぎていることに。気づきはしたがもはやどうだってよかった。この入れ替わりだってきっと復讐のひとつなのだろう、こうして深く関わってしまった以上は俺が、喪黒闇子としてこの復讐劇に幕を降ろすのも悪くはない。
どこかそう開き直った。
「別に同情したわけでもないし、お前のとばっちりを喰らうのもごめんだ」
「じゃあどうして?」
「悪くない話だからだ」
「嬉しいよ、わかってくれて」
“あなたも復讐の対象だってこと忘れてくれて”
「改めて俺は何をすればいい、ただ漠然と生きろというわけじゃないだろう、そもそもお前らしい生き方なんて知らないしな」
「そうね、なら頼まれてくれるかしら」


to be continued…

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。