彼はサッと屈み舞の顔を心配そうに覗き込んだ。 「大丈夫ですか?何かあったのですか?」 舞はごまかしにならないと思いつつ下を向きながら横に首を振った。舞はさらに何か聞かれるのかと身構えたが、彼は意外にもあっさりと「そうですか。今日は熱中症注意警報が出ているようなので、お気をつけ下さい。」と言うなり、足早に去っていった。 淡々として、大人ぽいのに、どこか寂しそうな後ろ姿に舞はどこか胸が締め付けられる感覚と同時に心臓が高鳴る感覚がした。