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空の青さを知る君は明日海へ行く

あの日、もし、再び彼と出会っていなければ、舞の人生は平凡な日々だっただろう。
公園での出来事から、一ヶ月が経った。舞の学校は夏休みに入り、舞はクラスメイトとショッピングセンターで買い物をしていた。その帰りのことである。いつも乗るバスの時間まで余裕があった舞は地下の書店に寄ることにした。地下へ向かう階段はどことなく薄暗く階段を降りるたび靴の踏み締める音が響いた。そして、踊り場まで来た時、それは起きた。書店まであと少しというところで舞は数人組の男に囲まれた。足元に酒の缶が転がっていた。
「よ〜お!姉ちゃん〜、わざわざ階段使うなんて、えらいね〜!」
「な、なんですか、やめてください。」
「てか、これって運命なんじゃね?よかったらさ、今から俺らと遊ばない?本ばっか読んでねぇさ〜ははは!!」
「や、やめて…」
舞は恐怖を覚えつつ地下の書店に向かおうと間をすり抜けた。しかし、遅かった。右も左も一瞬にして囲まれた。1人は銀色に光るものを持っていた。
「あ〜あ、釣れねぇなぁ〜、こうなったら力ずくで連れてっか!!」
「や、やめてください!!だ、誰か!助けて!!」
その時だった。

  • この物語をK氏及び全ての仲間に捧ぐ
  • 改訂版
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