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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 10.ウロボロス ④

そう歩いていると、不意にネロが足を止めた。
「…どうしたネロ?」
耀平は思わずネロに聞く。
「…いや、ここさっき通ったような気がして」
ネロは辺りを見回しながら答えた。
「えーそんなバカな…」
そう言いながら耀平は両の目を光らせる。
「あれ、異能力…」
わたしがそう言いかけると、師郎があぁと説明を始めた。
「あれはな、コマイヌの異能力で自分達の行動の”軌跡”を見る事で、さっきここを通ったか確かめてるんだよ」
…おいコマイヌ、どうだったか?と師郎は耀平に尋ねた。
耀平、もといコマイヌはこちらを振り向く。
「…確かに、ここはさっきおれ達が通った」
でも何で…とコマイヌは首を傾げる。

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