「別に道に迷ってるワケではないもんなぁ」
「おっかしーなー、何で何度も同じ場所通ってんだ~?」
彼らがその理由を話し合っていると、急にネロがもしかして、と呟いた。
「もしかして?」
わたしはつい聞き返す。
「いやもしかしたらなんだけど…」
ネロが話を続けようとした時、不意にフハハハハハ!と高笑いが聞こえてきた。
誰かと思って声がする方を見ると、小学校中学年から高学年位の少年が路地の真ん中に立っていた。
「そう、そうだとも!」
全てはぼ…と言いかけた所で、ネロがこう遮った。
「まだ何も言ってないけど」
「うっ」
少年はちょっとうろたえたが、気を取り直して話を続けた。
「まぁ良い、全てはぼくの手の上だからな…」
少年はカッと目を見開いた。
「そう! 全てはぼくのせいなのさ!!」
フハハハハハ! どうだー!と大げさに笑う少年に対し、わたし達はぽかんとしていた。