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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 10.ウロボロス ⑨

「あ来た来た」
わたしが駆け寄る様子を見て、ネクロマンサーはそう言った。
「どこ行ってたんだよ」
「皆こそ、どこへ…」
わたしは呆れたように呟く。
「だってネクロが急に走り出したからな」
仕方ねぇよ、と耀平はネクロマンサーの肩に手を置く。
ネクロマンサーはそっぽを向いて不満気な顔をした。
「まぁそれはともかく」
耀平がわたしに向き直って言う。
「また同じ場所に戻っちったな」
耀平がそう言うと、皆もそう言えばとうなずいた。
「確かに…同じ場所だな」
奴のせいか、と師郎は呟く。
「面倒くさ」
いつの間にか具象体を消していたネロはそう言ってため息をついた。

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