ある夜のこと、巧妙に隠された恋心を、想い合う想い人が暴いた。
ある夜のこと、響いた歌声は、世界を物理的に震わせた。
ある夜のこと、その眼は良いも悪いも記録した。
ある夜のこと、彼女は辛いにも幸いにも寄り添った。
ある夜のこと、異能を切欠に思想と自由が論じられた。
ある夜のこと、己の才を知らぬ絵描きは、ただ只管に描き続けた。
詩にも文にも満たない想像力の欠片の中で尚、彼らはきっと、今夜も異能を振るい続けるのだろう。何のためでも無しに、それが彼らの一部なのだから。
『常人』を外れた異端の異能者たちは今夜も、人外の領域、黄昏の更に先でただ集う、と、良いな。
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そういうわけで、先月いっぱいまで開いていたちょっとした企画『異端児たち』には、それなりの方々に参加いただけました。よく知る名前の人も居て、大変嬉しゅうございました。
ちなみに先月のうちにこれが書けなかったのは、単に気付いたら日付が変わっていたってだけの話なのです。
素敵な文章を書いてくださった皆さんも、広義にいうところの「異能者」と呼んで良いんじゃないですかね。どうぞ誇りに思ってもろて。