「…!」
まずい、と思ったネロは咄嗟に手を引っ込めようとした。
しかし手遅れだったようだ。
気付いた頃には、円の目を淡い青緑色に光っていた。
「隙あり‼」
ウロボロスはネロの手を掴んでそのまま引っ張ろうとした。
…その時だった。
ウロボロスの後頭部に、突然何かが直撃した。
「っ‼」
彼がぱっと振り向くと、地面には空き缶が転がっていた。
「…まさか」
ウロボロスがそのまま地面から目を上げると、そこには見知った2人組が立っていた。
「よぉ、ウロボロス」
師郎がちょっと手を振りながらにやりと笑った。
「…」
黎は師郎の隣で黙って立っている。