「降参だ」
やっぱり、お前らには勝てないやと彼は顔を上げた。
その目はさっきのように光っていない。
「でも2方向から挟み撃ちにするのはずるいと思う」
「は⁈」
円の発言に対し、ネロは声を上げた。
「別に良いじゃねぇかそれ位!」
「そうだそうだ!」
ネロの言葉に耀平も賛同する。
「お前だって異能力が強力過ぎるじゃないか!」
「は? 仕方ねーだろ‼」
やがてネロと円は言い合いを始めてしまった。
どうしたら良いのやらとわたし達は見ていると、向こうから声が聞こえた。
「ちょっと円!」
円がぱっと声がした方を向くと、そこには円と同い年位の、彼によく似た少女が立っていた。