今日推しが卒業を発表した
そのことを知ってからタイムフリーで追いかけることしかできない自分に今日ばかりは腹が立つ。
アイドルを好きという人はいるが、よっぽどアイドルを目指していない限り、尊敬していると言う人はそうそういないんじゃなかろうか。
正直、彼女に出会わなければいくらドルオタと言えど、生き方を尊敬するなんてことを思わなかったんじゃないかとさえ思う。
「真ん中だけがアイドルじゃない」
「王道じゃないアイドルが市民権を得るまで」
彼女はいつも惜しみない努力と数え切れない希望を僕らに見せてくれていた。
彼女は功績を自分のものとはついに一言も言わなかった。
感謝を必ず述べ、レギュラー番組の告知は必ず主語を複数形で書かれていた。
求められることに全力で応える。
口にするのは簡単だし、誰だってそのつもりでいるだろう。
でも彼女は誰かが望むこと、それがたとえ少人数でも、手が空けば、可能ならば必ず応える。
「王道じゃないから」
そんな言葉は彼女になかった。
最後までそれを突き通し、メンバーを思い、リスナーを思い、関係者を思い、全ての人を尊重した彼女はかっこよかった。最後までかっこよかったんだ。
こんな感情はなかなか出会えないだろう。
ならば今、僕がすべきことは悲しむことや縋ることじゃない。
はじめて尊敬したアイドル、
彼女の新たな門出を前向きに送り出すこと。
彼女の意志を尊重したい。
彼女の真意を少しでも汲める自分でありたい
そういうファンであることが
彼女を尊敬する者としての礼儀だと思うから