「どうだい?」
ちょっと俺と話さない?と少年はわたしに言った。
「…遠慮させていただきます」
「は? 何で!」
わたしが断ると、少年はそう声を上げた。
「良いじゃんちょっと位…」
何が嫌なのさーと少年は落胆する。
いやだって、とわたしは答える。
「どっからどう見ても怪しい…」
わたしがそう言うと、少年は慌てたように説明する。
「いやいやいや! そんな怪しい者じゃないから!」
見りゃ分かるだろ!と少年は腕を広げた。
「えぇ…」
わたしは思わず困惑する。
怪しくない、と言われても、何だか余計怪しく見えてくる。
何だかこの人とは関わらない方が良いような気がしてきた。