「あ、あの…わたし行きますね」
相手が怪し過ぎると思ったわたしは、少年の横を通り過ぎる事にした。
「あ、ちょっと~」
少年はわたしを止めようとしたが、わたしは彼を無視して歩き去った。
「やぁ」
怪しげな少年から離れて数分後、わたしの目の前にはまたあの少年がいた。
「ちょっと時間ある?」
「え」
わたしはなぜまた彼に遭遇したのか分からず困惑する。
「ちょっと俺と話をしないかい?」
「遠慮させて頂きます」
少年の提案に対し、わたしは即座にそう返答する。
「えー何で~」
ちょっと位良いだろ~と少年はがっかりする。
「…だっても何も」
怪しい人とは話したくないし、とわたしは答えた。
「あ、怪しいって…」
「そろそろ行くね」
少年の話を遮るように、わたしはその場から立ち去った。