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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 11.ゴブリン ⑤

しかし…
「やぁ、また会ったね」
数分後、わたしの前にはまた彼がいた。
「ちょっと俺と…」
「嫌です」
少年が言い終わる前にわたしはそう答える。
「…まだ言い終わってないんだけど」
「どうせまた話をしないかって言うんでしょ?」
わたしは訝し気な目を彼に向ける。
「…あなたは一体何がしたいの?」
わたしがそう尋ねると、少年はうーんと少し考える。
「…ま、ちょっと君と話がしたいだけさ」
「何それ」
わたしは思わず突っ込んだ。
「怪し過ぎる」
「いや怪しいも何も」
わたしの発言に対し、少年は何もないよと言わんばかりに両手を振る。
「俺はただの通りすがりの中学生ですよ~」
彼の発言に対し、わたしはえぇ…と呟く。
「…と、とにかく、わたしはあなたと関わる気がないので!」
失礼します!とわたしは彼の横を通り過ぎた。
「…関わらずに済むかなぁ」
ぽつっと少年が何かを呟いた気がしたが、わたしの耳には届かなかった。

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