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見える人々 その④

宮城さんは門限があるからと帰ってしまった。私もそろそろ帰った方が良いだろうか。別にまた夜遅くになってから出掛ければ良いわけだし。
「それじゃあ今日のところは失礼します」
「うん、バイバイ。また夜にねー」
私の考えを見透かしたかのようなトモちゃんの言葉にびくっとしつつも部屋を出た。
相変わらず、このフロアは不気味な廃墟にしか見えない。階段まで向かうと、宮城さんがいた。
「あれ、宮城さん」
「ども、宮嵜さん。帰りご一緒させてください」
「あっはい」
彼女の家の方向が分からないから一緒に行って良いものか分からなかったけれども、それで良いと言うのならまあ良いのだろう。特に何か話すでも無く並んで歩き始める。
「……多分なんですが」
10分ほど無言で歩いて、周囲の人気が無い場所に入った辺りで、突然宮城さんが話し始めた。
「宮嵜さんの能力も、私のと似たようなものだと思うんですよね」
「あー、霊感みたいな」
「そうそう、霊感みたいな」
「でも、微妙に違う感じではあるっぽいんすよ。何て表現すればいいのかは分かりませんけど……」
「ふーむ……。こういうのは、場数を踏んで法則性を見つけてくのが一番なんですが……」
「場数を踏んで良いものなのか、かー……」
なるほど、悪霊の類と何度も出会うことになっても良くないだろう。
「そう。下手すりゃ死にます」
「えっ」
「私はこれまでに数度、結構な目に遭いました」
「わぁ」
「まあ幸いにも、宮嵜さんには私という推定そっくりさんがいますから。いつでも何でも話してください」
宮嵜さんは得意げにそう言ってくれた。
「そうですね、何かあったら頼らせてもらいます」
だから私も、そう答えた。

  • 能力モノの小説を書きたい欲が高まって来たので
  • 仲間ができて嬉しい宮城さん
  • 宮城さんが頼りになって心強い宮嵜さん
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