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復讐代行〜第14話 交換〜

橘が歩く。
その道を開けるように後ろに溜まっていた女子が避ける。
その後ろをおずおずとついて行く。
いつもなら当然な顔をしていた事象が今ばかりは特異なこと、詳しく言えば橘が言ったことに起因してるような気がして恐ろしいことに思えてならなかった。
「あ、ありがとう…私なんかの…ために…」
怯えは次第に媚びへと変化していた。
…!?
どうして俺は…今橘に媚びた?
自分のした行為なのにその理由がわからなかった。
そうか…本当は怖いんだ、復讐をするのが…
そう気づいた途端“俺”の表情が妙に悲しく見えた。
それが…闇子なりの覚悟…
“応えなきゃいけないのか?”
体が俺に問いかける。
“なぜ悲劇を繰り返す…?”
かつて俺の体にあった傷の位置が痛む。
いや違う…これは彼女の傷だ…
『闇子の…悲しみだ…』
媚び諂う笑みの奥に新たな覚悟が灯る。

to be continued…

  • 復讐代行
  • かなりスパンが空いてしまいました
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