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復讐代行〜第15話 不止〜

橘を先頭に4人でゾロゾロと廊下を歩く。
この違和感まみれの様子が周囲に生み出す余波は私たち2人にとっては不快であり、恐怖であった。
「あれ誰?」「なんか釣り合わない」「ブスが際立つ」
「いや、イケメンの引き立て役か」「…」
こんなもの何日も喰らえばノイローゼになるだろう。
味わったことも無い気持ち悪さにこれまでのことを後悔しそうになる。それでも後悔の0コンマ1秒後にはその全てを彼らへの復讐心に変えた。
“私はもう…戻れない…”
「ねぇ、」
気づけば橘に声をかけていた。
「なんだ?青路」
“私”の少し驚いた反応を確認した上で
「さっきなんて言ったの?まさかほんとにあの子を…」
そこまで言いかけたところで小橋が割り込んできた。
「お前な、そんなわけないだろ?それともお前にそういう気があるのか?」
正直、そう返されるとは想像していなかった。
「は、はぁ?お、俺はただ!」
「そう動揺するなよ、蓮にも考えがあるんだろうからさわざわざちゃちゃ入れんなよ」
「青路、俺らは友達だが別に何もかも話さなきゃいけないわけじゃない、お前も俺らに話してないことあるだろ?例えば…」
さすがだ、体のことに気づいているとは思わないがそれをこぼしてしまいそうになる脅迫の目をしている。
“こいつを…私の手で…”
「こういうのはギブアンドテイクってもんだろ?話すならお前も話すことだ」
これで迂闊に踏み込めなくなってしまった。
“どうする…これじゃ…二の舞…”
何事もなかったかのように再び歩を進める橘と小橋について行くことしかできない自分に腹が立つ。
その気持ちをグッと堪え“私”の差し出す手を振り払った。

to be continued…

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