「あなた、前に亜理那と一緒にいたじゃない」
5月くらいだったかしら、と少女は首を傾げる。
「…あ、そう言えば」
言われてやっとわたしは思い出した。
5月、亜理那が異能力者である事をカミングアウトした時に出会った背の高い子。
…確かに同一人物だ。
「やっと思い出したようね」
少女はそう言って笑った。
「え、何アンタ、コイツと知り合いなの?」
何で?とネロは少女に尋ねる。
少女はふふふとネロに目を向ける。
「…まぁ、知り合いの知り合いみたいなものよ」
まだ1回位しか会った事ないけど、と少女は続ける。
ネロはふーんとうなずいた。
「あなたが噂の、異能力者を知ってしまった一般人でしょう」
ミツルから聞いているわ、と少女はわたしに向き直って言う。