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視えるモノ その④

「あ、待って宮城さん」
彼女の後について行く。あの少年、岩室弥彦もついて来た。
「なあ待てよー、お前、ミヤシロっていうの? 漢字でどう書く? 下の名前は?」
岩室弥彦はしつこく尋ねてくる。宮城さんも面倒そうに溜め息を吐いている。ここは私が動くべきだろう。
「ごめん岩室さん、彼女はあんまり男の人が得意じゃないみたいだから。距離をおいてあげて?」
岩室弥彦を押し留めて説得するも、どうも納得というか理解ができていないような顔をしている。
「大丈夫だって! しばらく接していればそのうち慣れてくるからさ!」
「えぇ……」
まったく考えを改める様子が無い岩室弥彦だったけど、ふと動きが止まった。みるみるうちに顔が青ざめていく。
「だめだよーヤヒコ君。女の子を困らせちゃ」
いつの間にかトモちゃんが彼の背後に忍び寄り、あの謎の腕が彼の身体中を掴んで拘束していた。
「ご、ごめんなさい……」
振り絞るようにどうにかそう言った岩室弥彦に満足したのか、謎の腕の拘束は解かれ、トモちゃんはにっこり笑ってあの男性と話しに戻って行ってしまった。
「あぁー……怖かった……。あの人、たまにすげーオーラ放ってくるんだよな……」
やっぱり、こいつにも見えていないのか。
「岩室さんだっけ。あなたじゃ宮城さんとはまともに付き合えないよ」
そう言い捨て、まだ呆然としている岩室弥彦を置いて宮城さんを探しに行くことにした。

  • 能力モノの小説を書きたい欲が高まって来たので
  • 岩室は見えない側の人
  • トモちゃんは完全に無意識で腕を操っています
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