「1人位増えても、ねぇ?」
そう言って彼女はネロに目を向ける。
ネロはえー、とそっぽを向く。
「面倒臭いから嫌なんですケドー」
「そう言わずに少し位付き合っても良いじゃない」
唯似はふふふと微笑む。
ネロは暫くの間不満気な顔をしていたが、やがて諦めたのかため息をついた。
「…仕方ない」
好きにしろ、と言ってネロは歩き出した。
「ちょ、ちょっと待てネロ!」
耀平が慌ててネロを呼び止める。
「一体どうするつもりなんだ?」
ネロはぴたと足を止めて振り向いた。
「…だって唯似には勝てないもん」
無理に抵抗しない方が良いし、とネロは答えて先へ進んだ。
「…」
男性陣は思わず黙り込んでしまったが、すぐに仕方ないな、と歩き出した。
「行くわよ」
唯似にそう言われて、わたしも彼らの後に続いた。