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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 12.ユニコーン ⑨

「あーいつもの場所?」
良いんじゃない?とネロは振り向きざまに言う。
「いつもの場所?」
わたしが思わず尋ねると、ネロはこう答えた。
「…え、墓地」
「え、は?」
思わぬ答えにわたしはポカンとする。
「墓地って…どういう事?」
「いやどういう事も何も」
新寿々谷の墓地だよ、とネロはムスッとした顔で言った。
「何で…」
わたしがそう尋ねると、今度は耀平が答えた。
「…だってさ、新寿々谷にはそれ位しか面白そうな場所がねぇんだもん」
別に良いだろ?と耀平は続ける。
わたしはえぇ…と返すしかなかった。
確かに新寿々谷には何もない。
しかしいくら何でも墓地で遊ぶのはちょっと…
「…バチとか当たったりしない?」
わたしが思わずそう聞くと、ネロはう~んと答えた。
「今の所、バチとかは当たったりしてないかな」
ひどい事はしてないし、とネロは笑う。
「まぁ良いや、とりあえず行こう」
いつまでもここにいちゃ暑いし、とネロは歩き出す。
そうだな、とか言って他の皆も彼女に続いた。

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