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異分子幻肢 その①

前回、あの溜まり場に行ってから3日が経った。このところ眠る度に毎日、夢に化け物が出てくる。あの時遭遇したのとはまた別の、見たことも無い化け物が。夢は自分の記憶が元になって作り出されているとはいうけれど、私の記憶や想像力から生み出されたとは思えない、奇妙な姿のものばかりだ。あまりにはっきりと記憶に残るものだから、目を覚ます度に夢日記の要領で化け物たちをスケッチしているけれど、どれもこれも正気とは思えない見た目をしている。私はおかしくなってしまったのだろうか。
新鮮な空気を吸って落ち着こうと、ベランダに出る。ふと下の方に目をやると、家の前の道を宮城さんが歩いていた。我が家の前を素通りした辺り、私を訪ねてきたってわけでも無さそう。
急いで寝間着を着替え、家を出る。宮城さんはまだ家の近くをうろついていた。
「宮城さん宮城さん!」
呼びかけると、宮城さんは少し間抜けた顔で振り向いた。
「宮嵜さん……? さっきあっちの方に行きませんでした? それを追ってきたんですが」
「いや、今起きたばっかりですけど。私のドッペルゲンガーでも見ましたか?」
「かもです」
「恐怖体験じゃないですか……」
「それより宮嵜さん、何故ここに?」
「私の家、この近くですもん」
「あー……そういえば見覚えありますね。千葉さんがいた時の。……まあ、まだ朝早いし、私は帰りますね」
宮城さんは小さく一礼し、道を表の通りに向けて引き返し始めた。
それと同時に、全身に走る悪寒。オバケと出会ったときの感覚だ。咄嗟に宮城さんを見るけど、彼女に反応は無い。
「宮城さんッ!」
どこにオバケがいるかも分からない今の状態でそれは危険だ。急いで宮城さんを追いかけ、その腕を掴んだ。

  • 能力モノの小説を書きたい欲が高まって来たので
  • 宮城モドキの同類かな
  • 今気付いたが、宮嵜さんの能力目だけじゃねえな
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