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異分子幻肢 その②

「……どうしましたか?」
宮城さんの反応的に、やっぱり気付いていないみたいだ。
「あの、オバケが近くにいるかもしれないので、危ないです」
私の言葉を聞いて、宮城さんもすぐに周囲を警戒し始めた。
「へぇ……? 私には全く分かりませんでした。どこにいるかは分かりますか?」
「いや、そこまでは……、でも、近くにいるはずです」
けれど、何も見えないし、何の気配も感じられない。もしかして、あの感覚はオバケとは無関係?
「……宮嵜さん」
不意に、宮城さんが重々しく口を開いた。
「何でしょう」
「今、何時ですか」
「えっと……」
手首を見てみるけど、そもそも腕時計をつける癖が無いので分からない。
「今の正確な時間は分からないけど……たしか、家を出た時は7時過ぎだったと思うので、15分か20分かそこらですかね?」
そう答えて、宮城さんに目を向ける。宮城さんは何かに怯えているようだった。
「宮城さん、もしかして、何か見えてますか?」
「いえ、おかしなものは何も。……でも、この時間帯って、こんなに静かなんですか?」
そう言われてみると、たしかにいくら休日の朝とはいえ、何の音もしないのは少し不気味だ。
それに気付いた瞬間、そこら中に嫌な気配が、何というか『生えてきた』。それらはすぐに、ある形をとる。
「宮城さん、見えてますか?」
「はい、たしかに。そこら中に何か腕みたいなものが生えてきていますね。近寄るのはマズいでしょうね」
宮城さんは腕を避けるように移動し、近くの塀に寄りかかった。
「これ、何が起きてるんでしょうか……」
そう呟く宮城さんに、塀の向こうから伸びてきた腕が迫っていた。
「宮城さんッ! 早くこっちに!」
彼女も気付いたようで、すぐにこっちに戻ってきた。
「何なんですかあの腕……まともに動けませんね……」
宮城さんが吐き捨てる。
「えっと、私の家が近いんで、一度避難しましょう」
「む、了解です」
宮城さんの手を引いて、とりあえず我が家に向かった。

  • 能力モノの小説を書きたい欲が高まって来たので
  • 宮嵜さんの感覚はそこまで外れても無いような気がする
  • 宮城さんは攻撃の察知とかもできる
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