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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 12.ユニコーン ⑫

「…」
わたしは墓地に1人立っていた。
…というのも。
「まさかわたし以外全員がパーを出すとはね」
わたしはかくれんぼの鬼を決めるじゃんけんで、見事に負けて鬼になってしまったのだ。
そしてわたしは、この広大な墓地に隠れている皆を探すハメになったのである。
「…それにしても」
わたしは人気のない墓地でぽつりと呟く。
「”今回は”、異能力を使っても良い、ね…」
わたしはさっき耀平が言った言葉を反芻する。
かくれんぼが始まる前、耀平は異能力禁止縛りはナシな、と言ったのだ。
普段彼らが遊ぶ時、ルールの1つとして”異能力禁止”というのをやっているらしい。
その禁止、というのを今回はナシにしたという事になのだが。
「完全にわたしへの嫌がらせだよね…」
わたしは思わずこぼす。

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