まとわりつく頭痛をにらんで寝転んだ午後 きみの声なんて思い出せなかった 乾いたくちびるとよく似た温度のさざめきが 消えかけた爪先の青色にとけてゆく 明日になれば、大人になればと 信じた根拠はたぶん消えたんじゃなくて 空の遠さに目が眩んだあの日からずっと 鼓動と同じ速度で走り続けている 知らない歌を好きになること ぬるい風に身を任せること きみの瞳の強さを思い出せなくても ぼくはまだ、ひとり夏のなかにいる