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35.8℃

まとわりつく頭痛をにらんで寝転んだ午後
きみの声なんて思い出せなかった
乾いたくちびるとよく似た温度のさざめきが
消えかけた爪先の青色にとけてゆく

明日になれば、大人になればと
信じた根拠はたぶん消えたんじゃなくて
空の遠さに目が眩んだあの日からずっと
鼓動と同じ速度で走り続けている

知らない歌を好きになること
ぬるい風に身を任せること
きみの瞳の強さを思い出せなくても
ぼくはまだ、ひとり夏のなかにいる

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