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復讐代行〜第16話 局面〜

「…痛い…」
手を振り払われて思わずそう言ってしまった。
おそらく“俺”が抱えてるものの方がよっぽど痛い。
そうわかったから手を差し伸べたのに
このまま離したままならきっと彼女は“俺”に全てを預けて復讐を成し遂げる。何故かそう確信した。
だから止めなきゃいけないんだ。
この思考に至るのに時間はかからなかった。
“俺”が歩き出す1歩目より速くもう一度手を掴んだ。
振り払われても今度は離さない。
さすがに“俺”も2度は来ないと思っていたのか
先程と違いすぐには振り払わず、見開いた目をこちらに向けている。
“絶対に離さない”
驚きとも怒りとも違う“俺”の目を強く見つめ返す。
「何?離してよ」
目の奥が見えなくなった。あくまで“俺”として私と向き合うつもりだ。
「離さないよ…」
掴んだ手を強く引く。当然向こうも予想外のことにこちらに体制が傾く。
“私があなたを止めるから”
近づいた耳元にそう囁いた。
それこそが君の、闇子の体が叫ぶ復讐だよ
俺はそれを代行してみせる。

to be continued…

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