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復讐代行〜第17話 刺激〜

「はぁ?離せよ!」
手は振りほどかれたが、今回は痛くなかった。
「随分気に入られたんだな」
小橋が煽る。しかし本当の意味が知られていないならそんなことどうだってよかった。
「ふっ、ふざけんな!そんなんじゃ…なぁ?」
これだけ動転しても口調は戻らない、随分気に入ったんだな俺の体を
「私は…」
もはやここまできたら小橋に乗ってやるよ、そうすれば復讐へのきっかけは強くなる。いや強く見えると言った方が正しいか
「もう2人でカフェ行くか?金は後で言ってくれれば払うから」
橘よ、それじゃ意味ないんだよ
「いやいやいや!俺が嫌だよ!」
間髪入れずに小橋は煽る。ここまで来るともはや才能だ。
「お似合いだろ」
「私は…桐谷君が嫌なら…」
あとは“俺”に救いを与えるだけでこの場は…
「そう言うなら仕方ないな、無理強いをしたら元も子もない」
やはり橘がまとめてくれた。小橋は少し残念そうだ。
あとは…
「橘、ちょっといいか?」
“俺”の行動はあまりに突然だった。
驚きを隠せない。
動揺が顔に出てやしないか、2人に変な視線を送ってはいないか、小橋に疑われてはいないか、
一瞬にして不安が押し寄せた。
これだこれだ、二重スパイのスリル…
「なるほどね…」
“俺”の話を聞いて橘が何かを考え出した。
これが果たして自分にとってどう出るのか、先程までより多くの目線から考えねばならない。
「ねぇ、闇子ちゃん連絡先交換しようよ」
橘は今までにない笑顔、でも嘘を感じさせない笑顔で言った。その言葉、表情に逡巡していた多くの思考は余裕で越えられてしまった。

to be continued…

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