きみに届けたいこの声をどこに出せばいいのか分からない。 何度も息を吸っては吐き、もう嫌になる。 いつになったらきみは私を知るのだろう。 そう考えると何だか自分が馬鹿らしくなって、もう笑えてくる。 今、きみに届けるはずだった声をどこかに忘れたような気がする。 取りに行くにも面倒でそれならもういいやと諦める。 それを言い訳に何度届け損ねたか。 明日、また用意して届けよう。 次こそは私の胸にしっかり抱いて。