乾いた世界に生まれた彼女にとっての「音」は 「形」であり「感覚」であり「響」ではなかった。 黒い世界に生まれた彼にとっての「光」は 「風」であり「熱」であり「明」ではなかった。 湿っていて混沌とした世界に生まれた人にとっては 「音」も「光」も、時に遮断したくなるものなのに。