もう遅いかな、
そう思うと怖くて仕方がなかったんだ
断ち切られた悩みを捨てることは出来なくて
視界の隅でそっと、悲しみに添えることしか出来なくて
思考の端でずっと、愛おしさと背中合わせをしていた
優しいあなたの「鋭いナイフ」は、
簡単に扱うようなものではないかもしれないけれど
「あなた」は確かに、正しい使い方を知っていた
「あなた」のナイフは、確かに正しく働いた
私の悩みだけを 丁寧に 確実に…
『ごめん』って一言を言うのに
『あのさ』って一言を発してから
喉が震えて 声がかすれて
手の震えは尋常じゃなかったよ
まだそこに取り戻したい体温があって
私の隣のひとりぶんの空白を
満たしてみたいって思えたんだ
でもどうやら
愛が脆くなっていたみたい
まだ詳しくは言えないけれど
「彼こそが」と言い切ることが出来なかった
弱かった 早かった
取り戻せそうな体温を
未だに取り戻せないまま 放置するなんて
あり得ないと思うだろうけれど、これが本当
まだ早かったかも、
そう思うと今は怖くて仕方ないんだ
報告…
聞けてよかったです。
愛が脆く…ですか、
こんな時まで綺麗な表現ですね。
今は怖くていいんです。
あなたが今、それだけ大きなことと向き合っているから。
勇気と恐怖は紙一重です。
だからこそ
恐怖を断ち切るナイフは時として
その人の行動を、大切な気持ちを傷つけてしまうことがある。
僕のナイフが正しく働いたのか、
結果論だけじゃいつも分からない。
でもあなたにとって正しかったなら
それは何より嬉しいことなんです。