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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 13.リャナンシー ①

寿々谷市では8月になると大きな祭が開催される。
その名も”寿々谷市大花火大会”。
夜7時頃から打ち上がる数千発の花火が夜空を彩る、寿々谷の夏の風物詩だ。
また、花火大会に合わせて公園や街のあちこちに屋台が出店する。
そのため、メイン会場の寿々谷公園や近くの河川敷、ショッピングモールは寿々谷の内外から集まった人々でごった返すのだ。
わたし達は今、ショッピングモールの休憩スペースでそんな祭の話をしていた。
「ねぇ、今夜の花火大会どうする?」
「屋台回ろうぜ屋台」
「ハハハ、食い意地張ってんな~」
そうやって皆でわいわいしていると、不意にネロがわたしに話を振ってきた。
「そー言えばアンタはどうするの?」
花火大会、とネロは尋ねる。
「うーん」
わたしはその場で少し考える。
「特に誰かと行く予定は立ってないけど…」
欲を言えば、ここにいる皆と一緒に行きたいなとわたしは言った。

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