「楽しそうだね」
少女は突然そう言った。
「え?」
わたしは思わずポカンとする。
「ど、どちら様…?」
ついそう尋ねると、少女はにこにこしながらこう答えた。
「りいら、柳原 りいら(やなぎはら りいら)」
よろしくね、おねぇちゃんと少女は笑いかける。
「は、はぁ…」
急に何なんだとわたしは困惑する。
他の皆も戸惑っているみたいで、沈黙しきっていた。
「ねぇ、おねぇちゃん達、何の話してたの?」
花火がどうとか言ってたけど、とりいらちゃんは尋ねる。
「あ、あー」
急に聞かれてわたしは慌てる。
「おれ達は今日の花火大会の話をしてたんだ」
答えられなかったわたしの代わりに、耀平がそう返す。